退職の不安 ~居場所が消える恐怖~
退職まで数週間。
会社という組織を去る不安に潰されぬ様に
今の心境を記録に残す。
僕の退職は噂や連絡でほぼ広まりつつある。
連絡と同時にお決まりの会話となる。
「何で辞めるの?」
「次どうするの?」
「飲みに行こうや!」
会話をするうちに、僕が会社を去る事が現実味をもってやって来る。
もう彼らと同じ組織にいる事はないのだ。
いつもの通勤路も特別な道に思える。
工場の設備や部品達とも会うことはないだろう。
後悔はないが不安なのは事実だ。
時には自宅や家族よりも長い時間を過ごしてきた。
そこは嫌だったが確かに居場所だった。
その場所を去る。一つの居場所から消える。
これが不安でなく何であろう。
それならば、
これからは不安な状況や、恐怖を自覚しながら、
それらに飲まれる事なく、
自分なりに生きてみようと思う。